相変わらずの音の趣味のよさ、映像のリズムが懐かしい。


過去付き合っていた複数の女性に会い話をするときの、
映像の佇まいがよい。これを間が多い、退屈とする人間
はいるだろうが、この後味を心地よく感じることができ、
何度も見たいと思う人間もいるだろう。


時間への思いが、切実になってくるのは、
いろんなものへの興味が行くだけでなく、その興味に対して
意識が向き、消費していること自体が時間を持っている、
ということに気づいたときからなのかもしれない。


時間への郷愁を感じることは、若者でなくなった
人間の性質もしくは特権だろう。
この非可逆な対象を一方が理解するというのは、
難しいものがあるだろう。
そのような意味で、この映画を見る者が
抱く感想というのが変化するのかもしれない。