映画DVD3本

・BABEL / Alejandro Iñárritu
・乱 / 黒澤明
・DANNY THE DOG / Louis Leterrier


・BABEL
物語構造については、繋がっている必要が要請されていることから導き出された
のではないかという、意味で「わかりやすい」(無難)ものになっているものの、
この作品に感心したのは、選択した音楽の感度と各エピソードへの結合・移動の仕方だろう。
ただし、最後の坂本龍一の音楽は少しくどかった気がする。それ以外は本当によかった(
Earth Wind & FireのSeptemberのことをベタで残念だとする旨のコメントをAmazonであげている
方がいたが、これはそうした日本のベタなクラブのベタな選曲さ加減を切り取ることがおそらく
意図だと思う。この曲も終盤きっちりクラブトラック用にリミックスされていたことを考えると
このシークエンスでのDJはきっちり「仕事」をしていたと思われ、逆にこのくらいの解像度で
日本を捉えていることに驚愕すべきだと思う。単にコーディネーション能力のある人間を雇えた
のか、制作の側がそれを望んだのかは不明だけれど。これは日本のエピソードに関する解像度でも
あると思う)。

・乱
おそらく10数年ぶりに見なおしたことになる。
オープニングの素晴らしさは、何度みても変わらない。
画面レイアウト、色彩、武満徹の音楽、「乱」というタイトル文字など。
ただし、今回みても、あまり気に入らないところは変わらず同じ部分であった。
けれども、以前に比べより意味的な内容について、より解像度高く入ってきたのではないか
と思う。